“同じ大学の卒業生限定”婚活に申し込み殺到、その理由とは
「どこの誰か分からない不安」を解消する新しい出会いの形として、“同じ大学の卒業生だけ”に参加者を絞った婚活イベントが注目を集めています。上智大学の同窓会が主催する「ゆる婚」には毎年抽選が必要なほど申し込みが殺到し、「マッチングアプリより気軽」という声も。なぜ若い層に人気なのか、専門家の分析とともに、マッチングアプリ利用者への示唆を編集部が整理しました。
何が起きたか
出会いの場が多様化するなか、“同じ大学の卒業生だけ”に参加者を絞った婚活イベントが話題になっていると報じられています。取り上げられたのは、上智大学の同窓会が主催する婚活パーティー「ゆる婚」。参加できるのは同大学の卒業生のみで、参加費は1000円と手頃、午前と午後の2部制で計100人ほどが集まるといいます。
報道によると、このイベントには毎年抽選をせざるを得ないほど多くの申し込みがあるとのことです。実行委員会の担当者は、コンセプトを「頑張りすぎない婚活」「頑張りすぎない出会いの場」と説明し、参加者からは
といった声が上がっていると伝えられています。個人情報の管理は一部の社会人スタッフに限定するなど安全面にも配慮しており、近年は参加者の年齢層がより若くなっている印象があるとされています。マッチングアプリよりも気軽。市中の婚活イベントはハードルが高すぎる
人気の理由について担当者らは、「どこの誰か分からない」不安がなく、卒業生であるという安心感があること、同じ大学を選んだという点で価値観が近い人が集まりやすいこと、キャンパスや学部・サークルといった共通の話題に困らないことなどを挙げていると報じられています。実際に3組ほどが結婚につながったとされる一方、パーティー後の交際の発展などはあえて追跡調査をしておらず、その「緩さ」も特徴の一つだと紹介されています。さらに、専門家として登場した東京大学の准教授は、結婚相談所を調査した際に女性が自身の高学歴を隠したがる傾向が一部見られたと指摘し、同じ大学の出身者同士が集まる場であればそうした点を気にせずに済むため良いのではないか、と分析していると伝えられています。
マッチングアプリ利用者への影響
この動きは、マッチングアプリを日常的に使う人にとっても示唆に富むものだと考えられます。アプリは相手の母数が圧倒的に多く、時間や場所を問わず出会いを探せる強力な手段です。一方で、「相手が本当にプロフィール通りの人物なのか」「どこの誰か分からない」という不安が常につきまとうのも事実でしょう。卒業生限定という枠組みは、この不安を「所属という共通の背景」であらかじめ和らげている点に特徴があると編集部は見ています。
もっとも、アプリ利用者がすぐに大学同窓会のイベントへ乗り換えられるわけではありません。むしろ参考になるのは、「共通点」を軸に相手を探すという発想だと考えられます。近年のマッチングアプリには、出身校や職種、趣味、価値観に関するタグやコミュニティ機能を備えたものが増えています。こうした機能を活用し、初対面でも会話が続きやすい共通項を持つ相手にあらかじめ絞り込んでおくことは、今回のイベントが人気を集める理由と通じる実務的な工夫だと言えるでしょう。
注意したいのは、「共通点があること」と「相性が良いこと」は必ずしも同じではない点です。同じ大学出身という安心感は打ち解けやすさにつながりますが、それだけで結婚まで一直線に進むわけではありません。報道でも、選択肢が自然に狭まることが「結婚へのある種の近道」になりうるという見方が紹介されていますが、これはあくまで出会いの入口を整える話であって、その後の関係構築は別問題です。アプリ利用者としては、共通の話題で緊張をほぐしつつ、価値観や生活観といった本質的な部分を焦らず確かめていく姿勢が大切だと考えられます。安全面についても、個人情報の扱いに配慮する運営の姿勢は、アプリでのやり取りにおける自己防衛の参考になるはずです。
編集部の見方
編集部としては、今回の「ゆる婚」の人気は、マッチングアプリ疲れの裏返しでもあると受け止めています。膨大な選択肢を前に、条件で相手を比較し続けることに消耗を感じる人は少なくありません。そうしたなかで、「同じ大学」という一点で母集団をあらかじめ絞り、安心感と共通の話題を最初から確保するアプローチは、「頑張りすぎない婚活」という言葉の通り、心理的な負担を下げる工夫として理にかなっていると考えます。
特に、女性が高学歴をあえて隠すケースがあるという専門家の指摘は、婚活の場に残る見えにくいハードルを浮き彫りにしています。学歴や経歴を「隠さなくてよい」環境そのものが価値になるという視点は、アプリ運営やコミュニティ設計を考えるうえでも重要な論点だと編集部は見ています。属性でふるいにかけるのではなく、安心して自分を開示できる場をどう用意するかが、これからの出会いサービスの鍵になっていくのではないでしょうか。
一方で、こうした限定イベントは母数が小さく、開催頻度も限られるため、万人向けの解決策ではありません。マッチングアプリの持つ「間口の広さ」と、限定コミュニティの持つ「安心感」は、どちらか一方が優れているというより補完関係にあると捉えるのが自然でしょう。アプリ利用者は、コミュニティ機能や共通タグを活用して安心して話せる相手を見つけつつ、リアルなイベントも選択肢に加えるという、複線的な動き方が現実的だと編集部は考えます。共通点は関係の入口を軽くしてくれますが、最終的に大切なのは相手一人ひとりと向き合う丁寧さです。今回の話題を、自分に合った出会い方を見直すきっかけにしていただければ幸いです。
詳しくは出典: Yahoo!ニュース(配信)の記事をご確認ください。